ホント、どうするつもりなんでしょうね、政府・東電は・・・
東京電力福島第1原発事故で、自宅や田畑の土壌の放射能汚染に不安を感じる住民が削り取った表土を引き受けている住職がいる。個人の「汚染土」について、国や自治体の対策の遅れに悩む住民は多い。「今ここに脅威があるのに放ってはおけない。身を捨て、困難を引き受けるのが僧侶の務め」と近隣住民に手を差し伸べている。
阿部光裕(こうゆう)さん(47)が住職を務める常円寺(福島市)。寺が所有する小高い山の上に、残土の詰まったゴミ袋が約160袋積み上げられている。阿部さんの線量計は毎時8マイクロシーベルト前後で推移しているが、「元の表土より、運び込まれる土の方が線量は低い」と笑い飛ばす。
「江戸時代までの寺は、現在の自治体と同様の働きをしていた」と語る阿部さん。5月末に放射性物質の除去に効果があるとされるヒマワリの種や苗を無償で配る市民団体を結成。年度内に2000万本を配り、放射性物質を吸い込んだ花や茎も寺で預かる計画を立てている。
土や花の受け入れについて、近隣住民に計画を説明して回った際に反対意見は出なかったという。作業には近隣住民や檀家(だんか)など約100人のボランティアと旧知の地元企業が携わっている。「たかだか一寺の住職でも、信頼関係があればこれだけの行動に移せる。政府の対策が遅々として進まないのは国民との信頼関係が壊れている証拠だ」
震災後も寺には、早朝から深刻な表情で悩み事を語る人がやってくる。「みんなの笑顔を取り戻したいだけなんだ」。そう話し、口を真一文字に結んだ。
◇環境省、新法制定を検討
福島第1原発事故で、国内では初めて広範囲の地域が放射性物質で汚染された。放射性物質による土壌汚染に対応する法律はなく、環境省は新法を制定する方針。
文部科学省は当初、学校の屋外活動の制限に関し、限界放射線量を毎時3.8マイクロシーベルト(年間20ミリシーベルト)に設定したが、数値を下げるべきだとの意見が続出。5月に「年間1ミリシーベルト以下」という目標を掲げた。学校や幼稚園の校庭・園庭については、表土と下層の土の入れ替えなどの放射線低減策への国補助が25日成立の補正予算に組み込まれた。
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