2011年7月16日土曜日

なぜ稲わらに高濃度セシウム? 野ざらし…雨・土から

・・・やっぱり、お米も危ないのかなあ・・・?

 次々に高濃度の放射性セシウムが検出される飼料の稲わら。16日には、福島県郡山市の農家に残っていた稲わらから1キロ当たり50万ベクレルもの放射性セシウムが検出された。相馬市の農家からも、宮城県大崎市から納入された稲わらからも高い値が検出されたという。なぜ、これほど広範囲で、稲わらから放射性物質が見つかるのか。

 農林水産省によると、稲わらは通常、秋のコメの収穫時に乾燥させ、倉庫などにしまって使用する。だが、今回基準を超える放射性セシウムが検出された稲わらは、秋の収穫時から水田に野ざらしになっており、3月の原発事故後に集められていた。

 「雨にさらされた稲わらは、栄養分が抜けカビが生えるため、飼料用としては勧められないやり方だ」と農水省担当者。しかし、収穫期に雨が続くなど乾燥が進まない場合は、まれに水田に置いたまま冬を越すこともあるという。

 水田に置かれたままだった稲わらは「事故直後の放射性物質が含まれた雨をもろに浴びた」(農水省)とみられる。さらに、放置された稲わらを集める際、土の表面に落ちた放射性セシウムをこそげ取った可能性もあるという。

 放射性物質は風で飛ばされ、降る雨で地面に落ちる。今回、高濃度の放射性セシウムが検出された地域は原発から遠く離れているが、天候が影響したとみられる。立命館大の安斎育郎名誉教授(放射線防護学)は「3月の水素爆発時に出た放射性物質が、雨が降ったときに、昨秋に収穫した稲わらにホットスポット的に落ち、中に入っていったのではないか」と指摘する。

 さらに、稲わらは乾燥している。学習院大の村松康行教授(放射化学)は「軽いので、お茶と同じで重さあたりの濃度が濃くなってしまう。表面積も広く、付着しやすい」と説明する。

 ただ、安斎名誉教授によると、50万ベクレルの稲わらを毎日1キロ、4カ月食べ続けた牛の肉の放射性セシウムは1キロ当たり約6万ベクレル。人間が200グラム食べても内部被曝(ひばく)は0・2ミリシーベルトで「健康に被害が出る程度ではない」(安斎名誉教授)という。

 村松教授は「牛の体内からは時間とともに放射性セシウムが排出され、30~40日で半分になるという報告もある。今秋に収穫した後の稲わらは土壌から吸収した放射性セシウムを含むので、餌として与えるなら、対策も必要だ」と訴える。

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