誰もが、国の言うことを信用できなくなってるんだよね。しっかりとした説明があり、科学的な裏づけがあるものを提示されていたら、ここまでの事態にはならなかったかもしれないよ。
今月スタートした食品中の放射性セシウムの新規制値について、農林水産省がこれよりも厳しい独自基準の設定を自粛するよう要請したことが、生産や流通の現場に波紋を投げかけている。
「国の数値では消費者は安心してくれない」という反発の一方、新規制値は世界的にも極めて厳しいだけに、「屋上屋を架すような基準は無駄」と賛同する声もあがった。
◆先進国と比べ格段の厳しさ◆
茨城県では県と茨城沿海地区漁業協同組合連合会が1キロ・グラムあたり50ベクレルの独自基準を設けた。同連合会の小野勲会長は「消費者に安全な魚を送るためだ。国の基準を守らないならまだしも、より厳しくやって、なぜ余計なことを言われるのか」と憤る。
新規制値は、食品の規格を決める国際機関「コーデックス委員会」などの考え方を取り入れて設定されたものの、先進国と比べておよそ1ケタ違う厳しさだ。
それでも「安心できない」という消費者の感覚を優先しがちなのは小売りも同様だ。流通大手の「イオン」は自社プライベートブランド商品を中心に、「測定で検出されないこと」との独自基準を掲げる。担当者は、「お客様の気持ちを最優先にしてきた。対応を変えるわけにはいかない」と言う。
行政でも、学校給食の食材で同4ベクレルという基準を設ける札幌市教委は「要請があっても方針は変わらない」。
生産現場では、「新規制値で十分だ」という声が相次ぐ。岩手県一関市花泉町で肉牛45頭を肥育する高泉茂美さん(61)は、「通知は当然。食の安全が叫ばれ、放射性セシウムがゼロの商品しか売れなくなっており、このままでは生産者の生活が立ち行かなくなる」と訴える。宮城県大崎市の肉牛農家、泉知宏さん(32)は「厳しく設定された新規制値は、消費者の安心につながる」とした上で、「今回の要請といい、対応が後手後手に回っている」と国への不信感もぬぐえない。
農水省では「通知は、二重基準による現場の混乱を避けるために示した。独自検査をするなという趣旨ではないことを理解してほしい」と説明している。
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