2011年8月9日火曜日

首相また思いつき?「核抑止力のない世界目指す」…日米防衛政策と矛盾

せめて、一貫した態度を取り続けてくれたらいいのに。


 菅直人首相は9日、長崎市内で記者会見し、米国が昨年12月と今年2月に臨界前核実験を実施したことに関連して「核抑止力の必要がない世界を目指して最大限努力したい」と述べ、核抑止力が存在しない世界に向けて取り組む考えを表明した。ただ、日本の防衛政策は米国の核抑止力を前提としている。またしても、国の政策を知らないまま思いつきで発言したようだ。

「(目指す)核兵器のない世界は、当然ながら核抑止力を必要としない世界を意味している」

首相はこうも語ったが、菅内閣が昨年12月に閣議決定した防衛大綱は「核抑止力を中心とする米国の拡大抑止は不可欠である」と強調した。今年6月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)共同発表は、米政府が核も含む軍事力によって日本の防衛と平和に関与することを再確認している。

しかも、今後どのようなプロセスを踏んで日本の安全を確保しながら核抑止力の必要がない社会を実現する考えかは示さなかった。

一方、首相は記者会見に先立ち被爆者団体代表らと会談し、被爆者から「なぜ『脱原発』という言葉を使わないのか。明確な方針を打ち出してほしい」と詰め寄られる場面があった。  首相は「内閣としては原発に対する依存度を下げ、低減するということを言っている。一般的な意味での『脱原発』と大きく違うと思っていない」と語り、「脱原発」も「原発低減」も大差はないとの認識を示した。

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