まったく、どうにかならないもんですかねえ。
東日本大震災の復興支援を目的にした東北地方の高速道路無料化を悪用するトラックが激増している問題。首都圏に近い常磐道の水戸インターチェンジ(IC)が頻繁に悪用され一気にバッシングが強まったが、敵もさる者。自制するかと思ったら、別のルートでスイスイ走っているというのだ。
6月20日からの無料化では、物流支援で被災者以外のトラックなどの中型車以上も対象にした。発着地点のいずれかが東北道の白河、常磐道の水戸、磐越道の新潟中央の各ICより北であれば走行区間すべてが無料となっている。
このため、被災地支援とは無関係の大型トラックやトレーラーが東北地方には行かずにこれらのIC、なかでも首都圏に最も近い水戸ICでいったん一般道に降り、改めて高速道に入り直して、首都圏などの目的地に向かうケースが横行するようになった。
7月末以降、水戸IC付近では、有人ゲートを通過後、直結する国道50号の交差点を強引にUターンしたり、市道や店の駐車場を通り抜けたりして水戸ICに戻る車両が激増。被災・罹災証明書を持つ人が乗車する普通車も、同じ条件で無料となるため、水戸ICは猛烈に混み合っている。
これを受け、国土交通省でも、悪用が続くようなら8月末での制度中止を視野に入れるなど強硬姿勢を打ち出した。
これでやや収まったかに見えたが、何と別ルート、水戸ICから1つ北に下った那珂ICが悪用されだしたというのだ。茨城県ひたちなか市の自営業者がこう話す。
「那珂ICは、水戸ICから10キロ程度しか離れておらず、それほど時間的ロスはない。水戸ICは混雑に加え、一連の問題が報じられてから、周辺の通行規制も強化された。料金所の通行が比較的スムーズな那珂ICのトラックの通行量が明らかに増えてますよ」
そもそもこの制度、不備な点が多すぎることが問題を発生させているとの指摘も少なくない。
都内の運送会社役員は「どの同業者も、薄利多売の厳しい環境下でビジネスをやっている以上、国の制度として高速料金の無料が許されるなら使わないわけがない。鬼の首をとったようにトラックドライバーを悪者扱いするのはいかがなものか」と憤慨する。
しばらく騒動は続きそうだ。
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