2011年8月20日土曜日

煮詰まらぬような支援必要 里親による虐待

しっかりバックアップしていかないと、いい制度も定着しないですよね。


 厚生労働省によると、里親による虐待は、平成21年度に全国で9件が報告されている。一方で児童養護施設や乳児院などでの「施設内虐待」は42件あったが、全国の施設で約3万6千人の子供が暮らすのに対し里子は約3800人。施設より里親で虐待される確率のほうが高いともいえる。

14年には宇都宮市で43歳の女性が里子の3歳女児を殴るなどして死亡させ、懲役4年の判決が確定した。21年には大阪市で35歳の女性が里子の5歳女児を暴行し直腸が裂けるなど重傷を負わせたとして懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を受けた。判決などは、児童相談所が里親へ委託したものの、その後の支援が十分でなかったと指摘した。

里親制度は、虐待などにより親元で育つことができない子供を、登録した里親が児童相談所から委託され自宅で育てる。法的に親子になる「養子縁組」とは異なる。国は施設より家庭的な養護が期待できるとして制度を推進しており、3月には里親優先の原則を掲げたガイドラインを作った。

日本社会事業大学の宮島清准教授(52)=ソーシャルワーク=は「里親に家庭という私的な場所で養育してもらう以上、閉じられ煮詰まった状態にならないよう支援していく必要がある。定期的に家庭訪問するなど里親と丁寧にかかわっている児童相談所は職員も増員されている。制度を進めるならば、態勢強化が欠かせない」と指摘する。

確かに、周囲の支援が必要だ。ただ、まだまだ不備が多い中であっても、虐待に手を染めた“親”たちに同情などできないことは言うまでもない。

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