2011年8月7日日曜日

<相場操縦>仕手筋からネット世代へ

この情熱を、もっといいことに使えばよかったのにねー。


 インターネットを駆使した「見せ玉(ぎょく)」による相場操縦事件が近年目立っている。証券取引等監視委員会に金融商品取引法違反の疑いで告発された福岡市のホームページ制作会社の松永寛之社長(27)を、福岡地検は週明けにも在宅起訴する方針だ。引きこもりの生活を続けていた松永社長はパソコンで株の売買情報をリアルタイムに見ながら株価をつり上げていた。ネット取引の浸透に伴い、仕手筋の専売特許だった相場操縦事件も様変わりしつつある。

 松永社長は大学を中退、定職も持たずに自宅にこもる生活をしていた。有名トレーダーにあこがれて05年ごろからデイトレードにのめり込み、自宅のパソコンで株取引を始めたという。

 捜査関係者によると、07年ごろから見せ玉による相場操縦を始め、3億数千万円もの利益を上げていた。部屋で一日中パソコンに張り付いて株価の動きをチェック。うその大量注文で株価をつり上げ、仕込んでいた所有株を高値で売り抜けていたという。値動きの活発な午前中を狙い注文・取り消しを瞬時に繰り返しており、捜査関係者もパソコン入力する素早さに舌を巻いたという。

 ブログでニート生活とデイトレードによる株式運用を紹介。社会から孤立しながらもネット投資で生き抜くサバイバル感覚の日記をつづっており、見せ玉に使った借名口座はブログに共感した引きこもり仲間のものだったという。多額の利益をあげていたものの、生活は地味で、事情聴取に応じた際はジャージー姿。見せ玉はあっさり認めたという。

 相場操縦事件について市場関係者は「かつては兜町に巣くう仕手筋の専売特許だった。会社の情報を知り尽くした一筋縄ではいかない連中ばかりだった」という。ところが、「今ではパソコンが得意なアマチュアが手を染めるようになった」と驚きを隠さない。

 監視委幹部は「ネット取引は匿名なわけではなく、野放しにはされない」と警鐘を鳴らしている。【川名壮志】

 ◇見せ玉

 インターネットで閲覧できる株価(板)情報に、買う意思がないにもかかわらず大量の買い注文を出して投資家の発注をあおり、株価のつり上がったタイミングで手持ちの株を高値で売り抜けて利益を上げる手法。金融商品取引法違反(相場操縦)にあたるとして禁止されている。

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