2011年6月2日木曜日

原発停止は長期化 東電資金繰り行き詰まりも

まったく、こんなときに政局がバタバタしてどーすんだ!

 内閣不信任案をめぐる政局の混乱で、電力危機が一段と深刻化する懸念がある。菅直人首相の要請による中部電力浜岡原発の全面停止で、各地の原発は定期検査後の再稼働に入れない状況にあるが、地元自治体が求める「安全基準」の提示は宙に浮いたまま。東京電力福島第1原発事故の賠償をめぐる政府支援の枠組みも関連法案成立のメドが立たず、東電の資金繰りが行き詰まる懸念が拭えない。行き当たりばったりの政策運営のツケは大きい。

 菅首相が法的根拠もないまま“政治判断”で浜岡原発停止を要請したが、浜岡だけを停止させる理由が曖昧で、立地自治体は「地元に説明できない」と猛反発。かえって原発不信を高めることになった。

 電力各社は、地元に配慮し、定期検査終了後の再稼働を見合わせており、全国54基のうち35基が停止する異常事態となっている。全国的に夏の電力不足が懸念されるなか、電力業界は「地元の理解を得るため、政府が先頭に立ってほしい」(電力会社首脳)と、悲痛な声を上げる。

 自治体は、再開に同意する上で、新たな安全基準を政府が示すことを求めているが、具体的な作業はほぼ手つかずの状態だ。政府内からは、「退陣する首相の独断のツケを負わされるのはたまらない」との不満も漏れる。現在運転中の原発もいずれは定期検査に入り、すべての原発が停止する事態も現実味を帯びてきた。

 東電の原発事故賠償も波乱含みだ。政府が決めた枠組みは、国が公的資金の拠出で支払いを援助するが、東電が全額支払い義務を負い、同社と電力業界が返済する仕組みだ。しかし、原発を推進した政府の責任が明確ではないことに民主党内からも異論が噴出。「政府内の調整すらできない状態」(経済官庁幹部)で、関連法案の閣議決定すらできないでいる。

 東電は「早晩、(賠償金の支払いによって)資金面で立ちゆかなくなる」(清水正孝社長)としており、法案の早期成立を求める一方で、金融機関からの追加支援の取り付けに奔走している。

 だが、金融機関は枝野幸男官房長官が東電向けの既存融資の債権放棄を要求したことに反発。政府との関係がギクシャクしており、追加融資による支援に応じるかは不透明な状況だ。

 東電の株価は2日、一時282円まで下落し、上場来安値を更新。米格付け会社が、東電を「投資不適格」に格下げし、市場からの資金調達は不可能な状況だ。東電が資金繰りに行き詰まれば、賠償金の支払いが滞り、被災者の生活再建や復興に大きな支障が及ぶのは避けられない。

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