18億ベクレル・・・とんでもない数値ですよね。
東京電力は19日、福島第1原発2号機の原子炉建屋の二重扉を午後8時50分ごろ開放したと発表した。二重扉を開放すると、建屋内の放射性物質(放射能)が環境中に放出される懸念があるが、事前に放射性物質濃度をできるだけ下げる措置を取っており、東電は「環境への影響はきわめて小さい」としている。
東電によると、開放により放出される放射性物質の推計値は18億ベクレル。1号機の二重扉開放時に放出された5億ベクレルを上回るが、敷地内の放射線量は推計で毎時0・0014マイクロシーベルトと、一般の人たちの放射線許容量を下回る。二重扉の開放作業は20日午前4時ごろまで約7時間かけ、徐々に行われる。二重扉開放については、経済産業省原子力安全・保安院が「問題はない」と評価。地元自治体の了承も得られたという。
2号機の原子炉建屋は屋根が残っているため、地下にたまった汚染水の蒸発などによって湿気がこもり、湿度99・9%の「スチームサウナのような状態」(東電)だった。高い湿度の中に人が立ち入ると脱水症状を引き起こす危険もあり、作業の妨げになっていた。
二重扉を開ければ建屋内が換気され、湿度と放射線量が下がるため、人が作業できるようになる。東電では、二重扉の開放後、原子炉の水位計や圧力計の調整作業を行う方針。
一方、4号機では、定期検査中に原子炉機器を仮置きする「DSピット」と呼ばれるプールの水位が低下し、露出した原子炉機器から強い放射線が出ている可能性があることが判明。19日に約80トンの水を注入し、今後、約1千トンの注水を続ける。
また、東電は19日、原発敷地内にたまった高濃度の放射性物質を含む汚染水の浄化システムで、圧力を逃がすための「ラプチャーディスク(破裂板)」という部品の破損が新たに見つかり、水漏れがあったことを明らかにした。
浄化システムは試運転で水漏れが見つかるトラブルが相次いだほか、17日夜の本格運転から5時間足らずで、セシウム吸着装置の放射線量が交換の基準値に到達し、運転を停止していた。汚染水を浄化システムで処理し、原子炉に入れて再利用する「循環注水冷却」の開始時期も21日以降にずれこんだ。
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