2011年5月19日木曜日

<国民生活センター>放射能便乗商法1400件 手口も多様

不安な心理にうまくつけこんだ商売ですよね。許せません。
 東日本大震災による福島第1原発事故以降、放射能汚染への不安に便乗した商法が全国で相次ぎ、国民生活センターへの相談が事故発生から2カ月余りで1400件を突破した。放射性物質の除去や被ばくの低減をうたった健康食品や浄水器の他、架空の未公開株や社債の売り付けまで手口はさまざま。トラブルも少なくないといい、同センターは注意を呼び掛けている。

 同センターによると、インターネットを中心に事故後、商品の宣伝が急増。「酵母を使った健康食品に、被ばく低減効果があるのか」「浄水器で本当に放射能を除去できるのか」などの相談が寄せられた。浄水器の中には効果が科学的に証明されていないのに約25万円するものもあった。

 チェルノブイリ事故(86年)の際、放射線による急性中毒を防いだとされる砂糖玉を紹介するサイトも登場した。直径数ミリでボトルに入っており、約30粒で580円。原材料名は「砂糖」とだけ記載され、サイトを運営する民間団体は「意図の分からぬ取材には答えられない」と話した。

 同センターへの相談・苦情は16日現在で計1413件。代替医療や疑似科学の問題に詳しい菊池誠・大阪大教授は「ありもしない効果に頼り、有効な医療を受けたり対策をとったりする機会を失うなら大きな問題だ。実態以上に危険をあおるのが怪しい健康商売の常とう手段。伝聞を信じないよう心がけて」と話す。

 ◇「劇場型」が特徴

 震災に絡んで、飲み水や自然エネルギーに携わる業者を装って架空の未公開株や社債を売りつける悪質商法の被害も目立ち、相談は4月末までに約50件を数えた。勧誘前後に社債などの買い取りを打診する電話が入るのが共通の手口だ。

 国民生活センターなどによると、京都府京丹後市の無職女性(70)は3月中旬、東北地方の水源地を所有する会社を名乗る男から「震災で水が不足しているので年6~8%の高配当が得られる」と勧誘され計2620万円を送金。首都圏の50代男性は4月、精製水販売業者と称する男から「安全な水の需要が高まっている」と社債購入を勧められ1300万円を振り込んだ。

 いずれも勧誘前後に「(社債などを)3倍以上で買い取る」などと買い取り業者を名乗る電話を受けていた。神戸先物・証券被害研究会の村上英樹弁護士(35)は「勧誘と買い取りの2役が登場して、投資の信用性を印象づける『劇場型』が特徴」と指摘。最近は「風力発電の会社を設立する」と脱原発を掲げて勧誘する手口も確認されており、同弁護士は「相手の社名の確認を」と促している。

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