2012年5月23日水曜日

眼科受診247人 今後の天文ショーでも「日食網膜症」の恐れ

直前になって、日食グラスを捜し求めた人もいたんでしょうね。事前の準備をしっかりしておかないとね。

 21日朝の金環日食で不適切な観察方法をしたために目の痛みやめまいなどを訴える人が相次いでいる。日本眼科学会への受診報告はすでに247人(23日現在)に上り、今後患者が増える可能性も。6月6日には今世紀最後の「金星の太陽面通過」があるなど珍しい天体ショーが続くことから、専門家は改めて注意を呼びかけている。

 日本眼科学会によると、報告のあった247人は「日食網膜(もうまく)症」の可能性がある。症状は視力低下や視界の中心に黒い斑点が現れたりする。12歳以下の子供は21人で、最高齢は90歳。子供は光を通す目の水晶体の透過性が高く、発症しやすいとされる。大半の症状は軽いが、中には視力低下が続くこともあるという。

 日食網膜症は肉眼で太陽を1、2秒見ても発症する場合があり、注意が必要だ。普段、人間が太陽をちらりと見上げるのは0.2秒とされ、同学会は「10回程度繰り返すだけでも危険」としている。

 ほとんどが当日や翌日に発症するが、筑波大の大鹿哲郎教授(眼科)は「数日から1週間、症状に気付かない人もいる」と話す。有効な治療法はなく、自然回復に頼るしかない。

 今年は来月6日の金星の太陽面通過のほか、8月14日には23年ぶりの「金星食」があるなど天体観察の機会が続く。安全な日食グラスを使用した場合でも、数分おきに休憩を挟むのがよい。大鹿教授は「予防は、適切な観察に尽きる」と呼びかけている。

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