2011年10月29日土曜日

食品中の放射性物質、新基準の上限は「年間1ミリシーベルト」 今後は食品の設定が課題

うんうん、引き下げが可能なら引き下げはするべきだよね。その方が消費者の安心も得られるもんねー。




食品中の放射性物質の基準値について、厚生労働省は28日、現在の暫定基準値で定められている放射性セシウムの許容上限の年間5ミリシーベルトを、今後検討が予定されている新基準値では、年間1ミリシーベルトに引き下げ、来年4月をめどに適用すると発表した。現状より厳しい数値設定となることから、今後は各食品に対し、どのように許容数値を割り振るかが課題となってくる。

 ■「現状も安全」

 「年間1ミリシーベルト」は、食品に含まれる放射性物質の健康影響について検討していた食品安全委員会が「おおむね生涯累積100ミリシーベルト以上で健康への影響が見いだされる」とする評価書を厚労省に答申したことを受けた措置。人生80年と仮定すると、単純計算で年間1・25ミリシーベルトだが、これよりさらに厳しい数値となる。

 厚労省は1ミリシーベルトとした理由について、(1)これまでのモニタリング検査の結果から、多くの食品で放射性セシウムの検出濃度が低下傾向にある(2)食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の指標で、年間1ミリシーベルトを超えないよう設定されている-などを挙げた。

 厚労省の推計では、福島第1原発事故以降、放射性物質を含んだ食品を1年間摂取した場合の被曝(ひばく)線量は全年齢平均で約0・1ミリシーベルト。厚労省幹部は「引き下げは現状が安全だからできるし、引き下げ後も混乱は起きないだろう」と話す。

 ■数値、どう振り分ける

 「年間1ミリシーベルト」の方針が決まり、今後の焦点は具体的な数値設定に移る。

 暫定基準値は、放射性セシウムなら年間5ミリシーベルトを上限として、5つの食品群に1ミリシーベルトずつ振り分け、日本人の年間平均摂取量を勘案しながら1キロ当たりの数値を出してきた。ただ、実際に基準値上限の食品を毎日1年間、平均摂取量分食べた場合の被曝線量を単純計算すると、5食品群合計で6・4ミリシーベルトとなっていた。

 これは、暫定基準値の基になっている原子力安全委員会の指標が「摂取する食品の半分は汚染されていない食品」と条件設定し、基準値上限の食品の摂取量を全摂取量の半分としているため。厚労省は「新基準値でもこうした設定をするか今後話し合っていく」としている。

 食品安全委員会の答申では、放射線の感受性が強い子供への配慮も求めている。出荷停止の指示で大人と子供を分けられないことから、子供も許容できる数値が新基準値になるとみられる。また、現在の5つの食品群を細分化することなども検討される予定だ。

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