幅3キロ、奥行き3キロもか・・・やっぱり、原発周辺に作るしかないですよ!!
東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質(放射能)を取り除く除染作業をめぐり、除去した土など廃棄物の処分先が決まらず、自治体が頭を悩ませている。除染の進捗(しんちょく)は避難住民の早期帰宅のカギを握るが、「仮置き場」のメドさえ立たず、除染作業に支障が出ている。
◆住民の不安
「汚染された土砂は早く持っていってほしいが、自分の近くに置かれるのは嫌だと誰もが思っている」
福島市の担当者はこう吐露する。
政府は、除染で生じる廃棄物を中間貯蔵施設で保管する方針だが、場所や期間は未定。細野豪志原発事故担当相は「当面は市町村に仮置きする」とするが、仮置き場の選定は自治体に“丸投げ”されている。
福島県によると、仮置き場が決まっているのは、モデル事業が行われている福島市と伊達市の2カ所だけ。小中学校で除去した表土の大半は、校庭の隅に埋められたままだ。
来年3月の全村民帰還を目指す川内村では、5カ所の仮置き場を計画しているが、まだ一つも決まっていない。担当者は「候補地はあるが、住民にどう説明するかが問題。仮置き場が決まらないと除染を始められない」と頭を抱える。
福島市も他の仮置き場が決まらない。「長期間置くのではないか」と住民に不安視され、協議が進まないという。
◆下水汚泥も
除染で発生する膨大な廃棄物量も問題になりそうだ。環境省の試算によると、年間被曝(ひばく)線量が5ミリシーベルト以上で、国の責任で除染する地域は、福島、宮城、山形、茨城、栃木の5県計2419平方キロメートル。土壌の表面を5センチ削り、落ち葉なども加えた廃棄物量は2879万立方メートル、東京ドーム23杯分に上る。
さらに、中間貯蔵施設には、通常の最終処分場では埋めることができない放射線量の高い焼却灰や、下水汚泥などが持ち込まれる可能性もある。
環境省の南川秀樹事務次官は、福島県の中間貯蔵施設について、「幅3キロ、奥行き3キロ、深さ10メートル」と、約9千万立方メートルの容量が必要との認識を示している。日本原子力学会の沢田隆副会長(原子力安全工学)は「廃棄物の量を減らす研究が必要だ」と指摘する。
◆我慢は限界
政府の試算によると、除染をしない場合、住民帰宅の目安としている年間被曝線量20ミリシーベルト以下になるまでには、現在100ミリシーベルトの地域は約10年、50ミリシーベルトの地域は約4年かかるという。
それだけに、除染への期待は高いが、国の遅々とした作業に、自治体のいらだちは募る一方だ。
福島市では要望の多い通学路側溝の汚泥除去が始められず、担当者は「市民も我慢できなくなっている」と不満をあらわに。
沢田副会長も「国は中間貯蔵の期間や場所などの方針を早く明確にすべきだ。見通しがないままでは自治体の作業も進まない」と政府の対応を批判している。
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