福島第1原発の放射能漏れ事故を受けて、都道府県単位で実施してきた農産物の出荷制限について政府は、市町村単位で設定や解除ができるように改める方針を固めた。枝野幸男官房長官が4日、記者会見で明らかにした。
しっかりとした情報開示が一番です。生産者の方の生活を守るためにも、消費者が納得して購入できるためにも。
これまで明確でなかった出荷制限の解除については、出荷制限の対象となった品目を1週間ごとに放射線量を調査し、3週連続で暫定規制値を下回れば規制を解除するとした。
枝野長官は、千葉県の旭市、香取市、多古町のホウレンソウと、旭市のチンゲンサイなどについて、暫定規制値を上回る放射性物質が検出されたとして、出荷を制限するよう千葉県知事に指示したことも明らかにした。
また、厚生労働省は4日、食品や飲料水から摂取する放射性物質の食品衛生法の暫定基準値について、現状維持とすることを決めた。同日開かれた専門家などによる薬事・食品衛生審議会の食品衛生分科会で、「現状維持すべきだ」とする所見が出たことを受けての措置。
厚労省は3月17日、東京電力福島第一原発の事故を受け、原子力安全委員会の摂取制限の指標値を用いてヨウ素を年間50ミリシーベルト、セシウムを年間5ミリシーベルトを超えて摂取しないように食品ごとの暫定基準値を設定。例えばホウレンソウであれば、ヨウ素は2千ベクレル、セシウムで500ベクレルを上限としていた。
数値が暫定で決められたため、厚労省では先月20日、健康に害を与えないための放射性物質の指標を定めるよう、内閣府の食品安全委員会へ諮問。同委員会は29日、国際放射線防護委員会(ICRP)や世界保健機関(WHO)などの国際機関のデータなどを参考に現状の基準値を「十分安全」とする評価をまとめ、政府の原子力災害対策本部も今月1日、現状の維持が妥当とする見解を示していた。
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