2011年4月17日日曜日

「尊師のために死ぬのは喜び」麻原死刑囚の影響力なお強く

地下鉄サリン事件を知らない若年層が、入信している・・・歴史を、しっかりと教える必要があるんですね、やはり。


 「尊師のために生まれてきた、尊師のために死ぬのは喜び」-。オウム真理教主流派、分派ともに、麻原彰晃(本名・松本智津夫)死刑囚(56)の影響力が相変わらず根強いことが、政府の国会報告から浮き彫りになった。祭壇には麻原死刑囚の写真を掲げ、イニシエーション(秘儀伝授)を実践。ペットを信徒登録する奇妙な制度を復活させているほか、インターネットを利用した勧誘活動も活発だという。

 政府は昨年のオウム真理教の活動状況をまとめた報告書を15日に閣議決定し、国会に提出した。

 報告書は主流派とされる「アレフ」、分派した「ひかりの輪」のいずれも、麻原死刑囚の説いたオウム真理教の教義を基盤としていると認定した。信者は昨年末現在、国内に1500人(出家約500人、在家約1000人)のほか、ロシアに約200人存在。国内15都道府県に31カ所、ロシアに数カ所の拠点施設を確保している。公安調査庁は団体規制法に基づき、昨年中に国内32カ所の施設を立ち入り検査した。

 公安庁などによると、教団施設では、麻原死刑囚の誕生日の3月2日ごろに「生誕祭」を開催。「尊師のために生まれてきた、尊師のために死ぬのは喜び」などと、自己犠牲を称賛する歌を信者に合唱させた。「涅槃(ねはん)しないでください」などと、延命祈願の修行をさせるケースもあった。

 また、麻原死刑囚がペットを信徒として登録するために導入した特異な制度を復活。「アニマル・コース」と呼ばれ、入会金と月会費を払わせ、麻原死刑囚が作曲したとされる音楽を収めたCD「アニマル真理」を配布、ペットに聴かせるように指導。機関誌には「愛犬が驚くほど利口になった」という信者の声が紹介されているという。

 1500人という信者数自体は横ばい状態だが、ネット上の交流サイト、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)で「仏教」「占い」など関心をひく項目を掲げて勧誘活動を展開。新規信者は35歳未満の青年層が目立っており、公安庁は「地下鉄サリン事件など、教団の実態を知らない若者が増えてきている」と分析している。

 また、関係者によると、アレフは東京都世田谷区南烏山の施設から撤退し3月末に約40人の信者が退去。アレフは昨年3月、同足立区内に国内最大規模の施設を取得しており、この施設などに移ったとみられている。

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