2011年4月2日土曜日

東電「嫌がらせ」過熱 社員寮“表札隠し”で自衛も

東京電力管内、ひいては日本国民全員が、電気との付き合い方を考え直さないといけませんね。


福島第1原発の放射能漏れ被害が拡大するなか、現場とは直接かかわりがない東京電力社員に対する批判や嫌がらせが過熱している。事故をめぐる情報の隠蔽体質や役員の対応のまずさに加え、計画停電の不公平感も加わり、首都圏住民の怒りが頂点に達しているためだ。東電はさまざまな防衛策を講じているが焼け石に水の状況だ。

 《私たち東京電力社員を非難することはかまいません。しかし、不自由だとか自分たちが被害者だといった考えはやめてください。電気を使え、うちに帰れば家族がいる幸せを感じてください》

 不公平な計画停電をめぐり、東電への批判がピークに達した先月19日、同社スポーツチームの主将も務める男性社員が、ブログに残した書き込みだ。ところが、自社の非を認めつつ、利用者の怒りをたしなめるような考え方が逆効果となり、批判コメントが殺到した結果、男性はすぐにブログ自体を削除した。

 今、東電社員の多くはこの男性と同じような気持ちなのだろう。先月22日、東電本社は東京23区にあるすべての社員寮の表札を粘着テープで隠したり、社名が入っていない新しい看板に掛け替えたりしている。各地の支店に直接抗議に訪れる利用者もいる中、「社員と家族の安全を守るため」(東京支店)との判断だ。

 東電の被害はこれだけではない。先月18日には、計画停電による鉄道の運行本数削減に腹を立てた男性(41)が東京・内幸町の本社社屋に投石。20日には、PR施設の電力館(東京・渋谷)で、壁に赤いスプレーで「反原発」と大きく壁に落書きされ、警視庁に通報した。

 インターネット掲示板には、法人登記簿から転載したとみられる、東電役員らの自宅住所が晒されるなどいやがらせはエスカレート。警視庁は都内東電各支社に、社員の安全に配慮するよう注意を喚起している。勝俣恒久会長の自宅玄関には、東電の要請で警視庁が詰め所を設置するなど緊張が高まっている。

 一方で、福島原発の現場社員は、いまこの瞬間も命がけで作業に臨んでいる。同発電所には約5000個の線量計が配備されていたが、多くが津波に流されたため数が大幅に不足。各作業チームの責任者だけが線量計を装着し、線量計なしで作業を続ける社員がいたことが判明し、1日までに1000個を調達した。

 家族に詳細を明かさぬまま現地に乗り込むケースも多く、今も社内で「福島に行きたい」と志願する社員は後を絶たないという。

 東電トップの責任問題はともかく、現場で汗を流す職員に、いやがらせをするのは本末転倒だ。

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