ちょっとかっこよく呼び方変えても・・・仕事は、選ばなければたくさんあるけどなあ。ハローワークには足が向かなくて・・・ってのはどうかと。
働く意思を持って行動しているにもかかわらず、仕事に就けていないニートの若者を、「レイブル」と呼んで応援しよう――。そんな呼びかけを大阪府がはじめた。
「ニート」ではマイナスの印象が強く働くので、就職活動をしてもなかなか雇ってもらえない。新たな呼称で、まずはマイナスイメージを払拭していこうということらしい。
■ニート自身の「やる気」を引き出す
「レイブル」とは、「レイトブルーマー」の略で「遅咲き」「大器晩成」を意味する。大阪府が取り組んでいる「若者の雇用機会創出を目指す事業」に協力し、人材育成・自立支援を行うNPO法人「トイボックス」や社会的課題の解決に取り組むNPO法人「スマイルスタイル」が、「欧米で頑張っている若者を応援する言葉として使われていて、大器晩成に近い言葉」(トイボックスの栗田拓事務局長)として考え、採用した。
大阪府はすでに、「レイブル」を広く知ってもらおうとポスターを作成。梅田駅などに貼り出していて、本格的なPR活動に乗り出している。
ニートの若者(若年無業者)は全国で約63万3000人。そのうち大阪府は東京都に次いで多い、約5万5000人がいる(厚生労働省の2007年就業構造基本調査)。
しかし、この中にも「働こう」と行動する、前向きな若者もいて、大阪府は「職がなく働いていないことでニートとひと括りにされて、怠け者のイメージをつけられてしまっている若者の就労を支援するのが狙いです。ニートのうち、働く意思のある人、行動を起こしている人たちを『レイブル』に位置付けています」と説明する。
ハローワークにはなかなか足を運べなくても、地域のサポートセンターや就労を支援しているNPO法人には相談に行くことができる、具体的には「そういった人たちです」(雇用促進室雇用就労支援グループ)という。
トイボックスの栗田事務局長は、「ニートの中にも、自分はニートではないとの思いを強く持ち、働き口を見つけてリセットしたいと思っている人は多い。当事者にとっても、自分はもっとやれるというモチベーションの向上につながる」と考えている。
■「レイブル」受け入れてくれる企業を募集中
大阪府は2011年11月23日に、「大阪ニート100人会議」を開催。ニートの就労支援について、集まったニート経験者や当事者らに「どうすれば働けるか」を考えてもらい、意見を出してもらった。「レイブル」という言葉もこの場で発表し、府は「気に入ってくれたようでした」と、手応えを感じていた。
その一方で、大阪府は「ニート100人会議」で出された意見を踏まえ、「レイブル就労モデル」の事業化を検討。NPO法人などの支援団体と具体的なモデル事業の構築を進めている。
現在、採用マッチングサイトを準備しているところで、通常の労働条件や賃金情報の開示のほか、働き方の要望や就労訓練などでレイブルを受け入れてくれる協力企業の開拓に乗り出している。
言葉だけでなく、具体的な支援での成果が期待される。
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