物凄い数のキャラクターが、ここ数年で生まれたんだろうなあ。どれだけ生き残るかな?
■「若者や子供と縁を」 着ぐるみ布教人気
冷めるどころか過熱するばかりの「ゆるキャラ」ブームが、仏教界にも押し寄せている。各地のゆるキャラの注目度を測る人気投票に“参戦”したり、宗派だけでなく、寺院のおひざ元の門前町で誕生したり。「不謹慎だ」との批判も一部にはあるが、若者や子供たちに少しでも仏教への関心をもってもらおうと、お寺さんのゆるキャラたちはきょうも愛嬌(あいきょう)たっぷりに活躍している。
真宗大谷派東本願寺(京都市下京区)のゆるキャラ「鸞恩(らんおん)くん」。昨年営まれた宗祖親鸞の七百五十回御遠忌(ごえんき)法要に合わせ、ハスの花の「蓮(れん)ちゃん」、お経をつづった勤行(ごんぎょう)集の通称にちなんだ「あかほんくん」とともにデビュー。
内部では「親鸞聖人にちなんだキャラクターなど不謹慎ではないか」という声もあったが、宗派内の若手が「若者や子供との縁をつくりたい」と結束して制作にこぎつけた。昨年10月に滋賀県彦根市で行われた「ゆるキャラまつりin彦根」でも人気を集め、担当者は「ゆるキャラで世間がこんなに宗教観を変えてくれるのか」と驚く。
同派では難波別院(大阪市中央区)でも、仏恩(ぶっとん)(仏の恵み)を忘れないようにとの願いを込めた「ブットン(仏恩)くん」が活躍中。各地のゆるキャラの知名度アップを図るため、「ゆるキャラさみっと協会」(彦根市)が昨秋行った人気投票にも参加した。
◆門前町から参戦も
異色なのは浄土真宗本願寺派西本願寺(京都市下京区)の門前町が生んだ「おりんちゃん」。仏具のおりんに似せた顔をたたくと「チーン」と音が鳴る。最近では西本願寺にいる“本家”のゆるキャラたちを押しのけ、イベントに引っ張りだこだ。
有志でつくる「植柳(しょくりゅう)まちづくりプロジェクトチーム」が昨年4月に制作。テーマソングもあり、表具店を営む宇佐美直秀代表(53)は「400年以上の伝統がある門前町の魅力を若い人たちに知ってもらいたい」と狙いを語る。
浄土宗の宗派キャラ「なむちゃん」は、檀信徒向けの機関紙に連載されている4コマ漫画の主人公。職員の遊び心をきっかけにぐんぐん知名度が上がり、総本山知恩院(京都市東山区)で営まれた宗祖法然の八百年大遠忌(だいおんき)法要では境内に着ぐるみが登場した。
控えめなのは天台宗の「しょうぐうさん」。宗祖最澄の言葉「一隅を照らす」(社会の一隅にいながら、社会を照らす生活をする)をもとに名付けられ、着ぐるみはできて間もない。「ゆるキャラではない」という立場をとっており、担当者は「寺院のイベントや宗教関連の集まりに出てもらう程度。グッズも販売していません」と話している。
◆仏像もかつては…
ゆるキャラの提唱者、みうらじゅんさんの話「ついに出たか、という感じ。着ぐるみは人が入るとたちまち人気者になるので、魂が入る仏像と似ているかもしれない。かつて仏像は、あらゆる世代の民衆がグッとくるような、ゆるキャラのような親しみやすさもあったはず。本来は、寺自体が憩いの場所にならねばならないのだろうが、ゆるキャラで人が集まるのはいいことだし、仏教界がブームに乗ってもなんらおかしくはない」
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