2012年2月11日土曜日

<東日本大震災>「月命日」一斉捜索…大船渡署警部の思い

もうこれ以上、捜す所がないまで捜し続ける・・・大変だけど、是非やっていただきたいですよね。無理なさらず・・・


 東日本大震災が起きてから11カ月たった11日、津波で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市が管内にある県警大船渡署は釜石海上保安部とともに行方不明者を一斉捜索した。「月命日」に一斉捜索しているのは県内では大船渡署だけ。発案したのは警察官のおいと部下を失い、震災後、同署高田幹部交番副所長に着任した遠藤要警部(53)だった。

 午前10時、陸前高田市の中心部にあった高田幹部交番跡地に警察官30人が集まり、黙とうした。この交番では所長ら6人が殉職していた。「もうすぐ震災から1年、みんな家族の元に帰りたいんだ。どんな手がかりでもいい、見つけよう」。遠藤警部が隊員に強く語りかけた。

 気仙川の河口付近で海から打ち上げられたがれきをかき分ける。漁港にある側溝に下り、奥までのぞき込む。この日の捜索で、体の一部と思われる骨二つを発見した。小雪が時折ちらつく中、海からの寒風で顔を紅潮させながら、約4時間、捜索にあたった。

 釜石署の刑事で遠藤警部のおい、遠藤洋警部(当時28歳)と、刑事に育て上げた高田幹部交番の小林新警視(同38歳)がそれぞれ住民の避難誘導中、津波にのまれた。

 副所長に着任後の昨年8月、遠藤警部は「遺体が見つかった家族の中には『自分たちだけ見つかっていいのか』と負い目を感じている人もいる。まだ見つかっていない家族のために警察官として何かできないか」。一斉捜索を呼びかけ、昨年10月11日から始めた。

 捜索を終え、交番跡地に戻ると、震災発生時刻の午後2時46分、再び黙とうした。「もうこれ以上、捜す所がないと言えるまでやり続けよう。震災から1年で捜索は終わりじゃない」。遠藤警部が口を固く結んだ。

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