お歳暮として贈るのはちょっと・・・自己責任ではなくなっちゃうよね。贈られても困る。
東京電力福島第1原発事故で「福島産」への風評被害が広がる中、老舗百貨店の高島屋が今冬のお歳暮商品に、福島のコメを採用した。「買う買わないは、あくまでお客さまの選択ですが…」。消費者の反応を気にしながらの手探りの試みだ。
「何かお手伝いできることはありませんか」。震災直後の3月下旬、高島屋広報担当部長の中村充さんは、福島県郡山市のコメ専業農家、古川勝幸さん(54)に電話をかけた。
古川さんは、第1原発から約70キロ離れた同県天栄村の山あいなどで計5ヘクタールの水田を耕す。農薬を使わず、漢方薬を混ぜた堆肥を施す独特の農法にこだわり、全国コンクールで5年連続金賞を受賞したコメ作りの名人だ。手塩にかけたコメは昨年、高島屋のお歳暮に選ばれた。
その後起きた原発事故。「『安全・安心』で信頼を得てきた。作っても果たして買ってもらえるのか」。悩んだ末に、作付けを決めたのは4月だった。
これを知った中村さんは、天栄村を訪ねて田植えを手伝い、9月には被災地を応援する「大東北展」を企画した。産地見学バスツアーの参加者を募り、10月下旬、約20人とともに古川さんとの交流を深めた。
「被災地の産品の販売機会を何とか確保したい」と、中村さんは今年もお歳暮商品に採用。用意されたのは5キロ入り5500円のコシヒカリ500セット。全国20店舗で注文を受け付けている。
例年なら11月中には完売するのに、今年はまだ半分が売れ残っているという古川さん。中村さんの支援に「先が見えず、一時は体調も悪かったが、応援してくれる人がいると元気も出てくる」と笑顔が戻ってきた。
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