ことの重大さが分からないんだろうなあ。それにしても、担任、チェックしっかりしてよー!
小学校の卒業文集で、ある質問に対して卒業生たちが「人を殺す」などと不適切な回答を書いていたことが発覚し、問題となった。
結果的には児童たちの「悪ふざけ」だったことが分かり、全員が素直に謝罪したという。ただ、子どものやったこととはいえかなり物騒な内容だ。
■「大ごとになると思っていなかった」と反省
卒業文集で何とも人騒がせな内容を書き込んだのは、岐阜県関市の旭ケ丘小学校に通っていた7人の児童だ。卒業生が「もし~だったら」という形式の質問に答えるコーナーで、「もしも透明人間になったら何をしたいか」との問いに「人を殺す」「強盗する」と答えたという。
あまりにも不適切な表現で、通常であれば教師が見つけて訂正させるに違いない。ところが担任は、各人が書いた作文はひとつひとつ確認していたものの、「文集委員」の児童が中心となって編集した「質問コーナー」のページは最終的にきちんとチェックしていなかったようだ。
文集はそのまま刊行され、受け取った保護者からの指摘で問題が明らかになったという。関市教育委員会はJ-CASTニュースの取材に、教育長名で「一生の思い出に残る文集でこのような表現が掲載されたのは遺憾に感じています」とし、「教育委員会として、他の児童や保護者の皆さまにご迷惑とご心配をおかけしたことをお詫びします」との謝罪コメントを寄せた。
そもそも、なぜ7人は常識外れの行動に及んだのか。教育委員会は、深く考えずにふざけた末に起こしたのだと説明、本人たちに確認したところ「これほど大ごとになるとは思っていなかったと、全員が非を認めて謝りました」と話す。学校生活上での態度でも、過去に問題になったことはない。一方、教員側の文集の確認漏れや、教育委員会の指導不足についても触れて、「このような事態が再発しないように、私たちも努めてまいります」と取材に対して終始、平身低頭の様子だった。
小学生の年齢で「言葉遣いが乱暴だ」という親の悩みは、インターネット上でも目にする。友人に対して聞き苦しい言葉をつかう、「うるせえ」「死ね」と悪態をつくがどうすれば直るか、という相談も少なくない。もちろん子どもたちは本気でなく、ふざけているだけとの意見もある。
今回の文集の場合は、冊子の形で後々まで残るものだ。そこにわざわざ過激な表現を入れたのは、会話の中で感情的になって暴言を吐くのとは少々事情が違うかもしれない。
■子どもが発する18個の「SOS」
しかし専門家は、今回の件は児童たちの、ある種の「軽はずみ」な行動に過ぎないとみている。横浜心理ケアセンターでカウンセラーを務める椎名あつ子氏は、「殺す」などと書いた卒業生が本気でそう考えているわけではなく、何か重大なメッセージが隠されているとも思えないと話す。
むしろ「もしも透明人間になったら」という質問項目を問題視し、「『何か悪いことをしてやろう』との考えが浮かびやすい質問ではないか」と指摘する。現に7人の卒業生は「もしも無人島に行くとしたら」「もしも1億円が当たったら」という質問に対しては、不適切な回答はしていない。7人は、この先ずっと残る文集に「殺す」と書いたらどんな影響があるかまでは考えが及ばなかったのだろうと椎名氏。それだけに「透明人間になったら、との問いにどんな答えが出る恐れがあるか、事前に先生たちにはチェックしてほしかった」と話す。
今回の件とは関係ないが、一般論として子どもが「殺す」「死ね」と日記やブログなどに書きつけた場合は要注意だと、椎名氏は警鐘を鳴らす。書いた本人がいじめられているような場合の「心の叫び」かもしれないのだ。「死にたい」「消えてしまいたい」と自分に向けたネガティブな表現も危うい。
椎名氏は、子どもが発する「SOS」として、急に学校のことを話さなくなる、愚痴ばかり言うようになる、親や人と顔を合わせなくなるといった18のサインがあると説明する。子どもも成長とともに口数が減ったりするが、「親は、単に子どもが思春期だから、で片づけないでほしい」と訴える。子どもの日記やブログを親が定期的にチェックするのは難しいが、こうしたサインを見落とさないことで、子どもを「闇」から救い出せる可能性が高まるだろう。
同時に親は、子どもの前で夫婦げんかをしたり、人の悪口を言ったり、よその子と自分の子を比べる発言をしたりというのを控えてほしいという。「普段から親子関係を保ってよく話し合い、子どもに優しく声をかけつつ、親自身も態度を見つめ直すのが重要です」
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