2012年3月30日金曜日

<首都直下地震>震度7広範囲に 文科省がM7.3試算

いつ起きてもおかしくないわけだよね・・・備えておかないと。




 首都直下地震の想定見直しを進めてきた文部科学省の研究チームは30日、東京湾北部でマグニチュード(M)7.3の「東京湾北部地震」が発生した場合の揺れの強さを試算した新たな震度分布図を公表した。東京都区部~千葉市周辺にかけての震源域のうち、県境の東京湾岸で地震が発生したと仮定した場合、東京都江戸川区、江東区、品川区、大田区、川崎市など広範囲で震度7の揺れが予想された。国は今後、「最大震度7」を念頭に首都圏の被害想定や防災対策を見直す方針。首都圏の各自治体にも見直しが迫られる。


 東京大地震研究所を主体とするチームは、首都圏296カ所に新設した地震計で地下構造を調査。その結果、地震を起こすプレート(岩板)境界が、国の中央防災会議の想定より5~10キロ浅いことが分かった。同じ規模の地震なら、震源までの距離が近いほど揺れは強くなる。

 この結果を基に、東京湾北部に東西約63キロ、南北約31キロの震源域を設定。この中で、地震が始まる場所を(1)東京・千葉県境付近(2)千葉市周辺(3)東京23区西部の3パターンで震度分布を試算した。

 震度7の領域が最も広くなったのは、中央防災会議と同じ(1)の場合で、横浜市や東京・多摩地域東部などでは従来の震度6弱が6強になった。

 (2)の場合でも、東京都の隅田川河口付近が震度7、(3)の場合には、隅田川河口付近に加えて川崎市なども震度7となった。今回の想定見直しにより、従来は最大震度6弱だった東京23区西側を含め、23区の大半が3パターンすべてで震度6強以上と予想された。

 チームの纐纈(こうけつ)一起東京大教授(応用地震学)は30日記者会見し、「多くの仮定に基づく試算なので、条件を変えると震度分布も大きく変わる」と強調。「試算の精度が甘い」ことを理由に、震度別の自治体名などは公表しなかった。

 今回想定した「東京湾北部地震」は、過去に発生したことが確認されていない。ただし国の地震調査委員会は、防災計画などの参考にするため、1885~2004年に首都圏で起きた五つの地震(M6.7~7.2)の発生頻度から「首都直下地震は30年以内に70%の確率で起きる」としている。

 今回の見直しを含む文科省の首都直下地震防災プロジェクト(07~11年度)の総事業費は44億4000万円。

0 件のコメント:

コメントを投稿