2012年10月8日月曜日

山中伸弥氏にノーベル医学・生理学賞

物凄い開発だもんね。医学が物凄く発展するよね。悪用されないといいですね。

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は8日、2012年のノーベル医学・生理学賞を、あらゆる細胞に分化する能力があるiPS細胞(人工多能性幹細胞)を開発した京都大の山中伸弥教授(50)ら2氏に授与すると発表した。患者自身の細胞を移植して病気やけがを治療する再生医療への道を開いた功績が評価された。


 日本人のノーベル賞受賞は2年ぶりで、米国籍の南部陽一郎氏を含め計19人。医学・生理学賞は1987年の利根川進氏以来、2人目の快挙となった。

 iPS細胞は、あらゆる細胞に分化する能力を持つ万能細胞の一種。これを基に神経や肝臓、心臓などの細胞を作製し、病気や事故で機能を失った患者の臓器などに移植することで、難治疾患を治療する再生医療の実現が期待されている。

 研究はまだ安全性評価の段階で、実際に患者に使われたケースはない。医療分野のノーベル賞は広く実用化した段階で授与されるのが通例で、極めて異例のスピード受賞となった。

 万能細胞は1990年代以降、米国を中心にES細胞(胚性幹細胞)の研究が進んだ。しかしES細胞は「生命の萌芽(ほうが)」である受精卵を壊して作るため、倫理的な課題が壁になった。

 これに対してiPS細胞は皮膚から作製するため、倫理的な問題を回避できるほか、患者自身の皮膚から作れば拒絶反応も起きない利点があり、再生医療実現の「本命」として世界的に開発競争が激化している。

 山中教授は平成18年、マウスの皮膚細胞に4つの遺伝子を導入することで世界で初めてiPS細胞の作製に成功。19年には同じ手法でヒトの皮膚から作製することにも成功し、世界の第一人者として研究開発をリードしている。

 臨床応用が実現すれば、脊髄損傷やパーキンソン病、網膜疾患などの難病治療に道が開ける。また、作製した患者の細胞を研究試料として使うことで、病気のメカニズム解明や医薬品の開発など幅広い応用が期待されている。

 共同受賞者は英ケンブリッジ大のジョン・ガードン博士(79)。授賞式は12月10日にストックホルムで行われ、賞金計800万スウェーデンクローナ(約9500万円)が贈られる。

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