2011年12月6日火曜日

学校トイレ、3K解消 文科省初調査、洋式化を加速

いつの時代も大便だとからかわれるんだねぇ。自分もするくせにねー。まぁ多機能トイレは、学校避難場所になっているんだからそうするべきだよね。




 「臭い・汚い・暗い」の3Kと揶揄(やゆ)される学校のトイレについて文部科学省が先進的なトイレ改善を実施した学校の事例について、初めて調査を行ったことが5日、分かった。和式が主流の学校トイレの洋式化を求める声は多く、今回の調査を機に全国の学校トイレの改善が加速する可能性が出てきた。

 全国の公立学校では約70%が建築後25年以上経過しており、トイレも和式が主流を占めている。家庭や公共施設で洋式が普及し、和式に不慣れな子供が学校でトイレをがまんすることが多いとの指摘があった。

 文科省では、先進的なトイレ改善事業を行っている東京都世田谷区と葛飾区、川崎市の学校の取り組みを調査。トイレを改修する基本計画の策定やデザインの検討、児童が参加したワークショップの例など整備事例を集めた。

 震災後、文科省に設置された有識者による学校施設整備に関する検討会も7月に、「災害時には高齢者や障害者など要援護者が使用することを想定したトイレについては、洋式が望ましい」とし、更衣室やおむつ替えもできる多機能トイレの設置を求めている。

 文科省は、調査した事例集を全国の小中学校に配布。「きれいになったトイレに対する驚きや喜びを生かし、学校施設を大切に使うという相乗効果を期待したい」としている。

 改修後回し、課題は財政難

 文部科学省が初めて行ったトイレ先進化の調査。だが、財政難などを理由に長年「後回し」にされてきたことで、学校トイレだけが社会から取り残されている現状が浮かぶ。

 「学校のトイレ研究会」(東京都世田谷区)が平成21年に全国の小中学校などを対象に実施したアンケートによると、トイレの和洋比率について「全部和式」と「和式が多い」と回答したのは84%に上った。大手衛生陶器メーカー「TOTO」によると、便器の出荷ベースでは昭和52年に洋式が和式を逆転。現在は九十数%が洋式となっており、学校だけが洋式化が進んでいないことがうかがえる。

 同会が大阪府和泉市の小学校で、トイレの改修前に校内でトイレを我慢したことがあると答えた児童75人に理由を聞くと「トイレが汚くて臭うから」(65人)「和式便器が嫌だから」(54人)が群を抜いた(複数回答)。

 改修前には「大便をするのが恥ずかしい」(16人)「大便をするとからかわれる」(7人)と回答していた児童も、改修後には、「恥ずかしい」が4人に減り、「からかわれる」と回答した児童はいなくなった。同会の河村浩事務局長は「トイレのマイナスイメージがあったことで、からかわれたりしていたとうかがえる」と指摘する。

 だが、トイレの洋式化が思うように進まない最大の理由は財政面での課題だ。

 文科省によると、トイレを洋式化するなど改修を行うと、1校当たり3千万円から5千万円かかるという。文科省では公立小中学校の耐震化に来年度概算要求で計2325億円を盛り込み、全国の約90%で耐震化が進むが、トイレ改修は各自治体任せなのが実情だ。文科省では「トイレ改修が進んでいる自治体は財政状況が良いところが多く、費用面から一気に改修が進むことは難しい」との見方を示している。

 こうした現状に対し、河村事務局長は、「被災地でも洋式を望む声は強く、弱者には和式は百害あって一利なしといえる。対策を早急に進めてほしい」と訴えている。

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