2011年12月13日火曜日

アライグマ我が物顔、農業被害が深刻化

きゃー!かわいい!って言えないよね・・・。なんでそんなに増えちゃったんだろう。




野生化したアライグマが生息域を拡大し、農作物を食い荒らす被害が九州・山口で深刻化している。

 2010年度には福岡、佐賀、大分、長崎、山口の5県で、前年度の約3倍の1422匹が捕獲され、被害総額は約2200万円に上った。今年度も各地で被害が報告されている。愛くるしい外見とは裏腹に、人を襲ったり文化財を傷つけたりするケースもあるだけに、国や自治体は広域的な防除体制の整備を急いでいる。

 環境省によると、1970年代、アライグマを題材にしたテレビアニメが人気となり、ペットとして大量に輸入された。しかし、気性が荒いために捨てられたり、手先が器用なためオリから逃げたりする事例が続出。廃棄された農作物を目当てに人里に現れ、住宅の屋根裏や倉庫にすみつき、悪臭や騒音の苦情が寄せられるケースも相次いでいる。

 九州では、90年代後半から長崎県で継続して確認されるようになり、2010年度の捕獲数は、長崎県1015匹(前年度323匹)、佐賀県307匹(同83匹)、福岡県89匹(同3匹)、大分県3匹(同2匹)、山口県8匹(同0匹)だった。

 農業被害額が6年前の10倍の約1100万円に上った長崎県では、今年度も県北部の山間部から平地まで広範囲で被害が確認された。県は市町などに防護柵や箱わなの設置費を助成しているが、担当者は「生態系を脅かすだけでなく、狂犬病や回虫を媒介する危険性もある。繁殖力が強く完全排除は容易ではない」と頭を抱える。

 隣の佐賀県の農業被害は約285万円で前年度の約20倍となり、県は8月から、捕獲に協力した団体に1匹当たり1000円の補助を始めた。

 大分県では3分の2の自治体で生息情報があり、昨年から今年にかけ、国指定重要文化財の仏像が安置される豊後高田市の真木大堂など、複数の神社の柱でアライグマの爪痕とみられる傷が確認された。県は11月から、捕獲法をまとめた防除の手引を市町村などに配布。福岡県は来年1月、市町村向けの防除講習会を予定している。

 4月には宮崎県に生息域が広がっていることが初めて確認された。捕獲例のない熊本県も全市町村に対策窓口の設置を指示し、危険性などを記したチラシ3000枚を配った。

 全国的には兵庫県内で7月、犬の散歩中の飼い主がかまれて負傷するケースが7件連続して発生。京都・二条城の二の丸御殿(国宝)の柱でも、ひっかき傷が見つかった。

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