2011年3月28日月曜日

津波のまれ「死を覚悟」=娘抱き女性、奇跡的に生還―宮城

想像しただけで恐怖ですね。この女性も娘さんもすごく強いですね。


 宮城県名取市閖上地区で、生後11カ月の娘とともに津波にのまれ「死を覚悟した」という女性(38)が、避難先の同市内の施設で救出までの生々しい様子を語った。一緒に逃げた隣人2人は安否不明のままという。
 地震約30分後。女性は娘を抱いて家を出て、隣に住む女子中学生とその母親の計4人で車に乗り、避難所へ向かった。その直後。わずか50メートル先に津波が見えた。
 「車がふわっと浮いた」。瞬く間に車は流され、フロントガラスが割れた。「ゴゴゴーと、すごい音だった」。娘を抱き、必死で車の外に出たが、流れはあまりに速く強く、隣人らを見失った。
 アパート2階ほどの高さをただ漂うしかなく、真横を見覚えのあるアパートや家、車が流れていった。「私はここで終わりだ」。覚悟を決めた。しかし幼い娘は手を離せば一瞬で流される。泥水を飲みながら「守らなきゃ」と夢中で抱きしめ続けた。
 奇跡的に流れが変わり、何とかがれきの山にはい上がった。だが周囲を濁流に囲まれて動けず、偶然そばにいた見知らぬ女性2人と、雪が降る中身を寄せ合い一晩を明かした。その晩の閖上地区では火災も発生。「目の前で次々と家が燃えていった。危険と隣り合わせだったけど、明かりで安心もした」という。
 翌朝、自衛隊のボートで救出された女性と娘は、幸い大きなけがもなく、他の家族も無事だった。しかし一緒に逃げた隣人を含め、地区では多くの人が今も安否が分からないままだ。

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