風向きや地形によって、計測される値も変わってくるのかもしれません。政府には、正しい指示を出してもらいたいと思います。
東京電力福島第1原発の事故を巡り、国際原子力機関(IAEA)から、同機関が定めた避難基準を超える放射線量を測定したと指摘された福島県飯舘村。避難住民も戻り始め、日常生活を取り戻しつつあったところだったため、村内では波紋が広がった。菅野典雄村長(64)は「国から対処方針を変えなくていいと説明を受けている」と話し、住民に冷静な対応を呼び掛けた。
同村は人口約6000人で、現在村に残る人は約4000人。自主避難が相次いだため、一時は約3000人まで落ち込んだが、最近は村に戻る人が増え始めている。
セブンイレブン福島飯舘店(飯舘村草野)は先週末から、営業を再開した。菅野賢店長(39)は「(IAEAの注意勧告は)村でうわさになっている。避難すべきか、すごく迷う。国がしっかり指示を出してほしい」と訴えた。地元に残りたいが、2人の子供への影響も気にかかる。
近所に住む女性(59)も「今まで国から大丈夫だと言われていたのに正直ショックです」と不安げ。それでも自宅で高齢者2人の介護を続けているため避難所生活は難しく、今のところ地元を離れるつもりはない。
菅野村長は「村外に避難すれば仕事もなくなり、村民の生活はゼロになる」と話す。希望する住民だけを自主避難させる従来の方針については「国から変更の必要がないと説明を受けている」と強調。「最初にニュースを聞いた時は心配したが、今は安心している」と語った。
枝野幸男官房長官は31日の会見で、土壌の放射線量が長期間基準を上回った場合には避難指示などを検討するとした。だが、菅野村長は「今のような状態が続くのなら、国は、避難指示ではなく支援策を出すのが本来だと思う」と強調した。
飯舘村は、中心部が福島第1原発から北西に約40キロ。村域のほとんどは、自主避難を促されている地域の外にある。しかし、風向きなどの影響で高い放射線量が測定されており、県のモニタリング調査では、31日午後6時現在、県内の観測地点で最も高い7.24マイクロシーベルトを記録した。
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