2011年3月7日月曜日

雪の中から男性救出 小学生5人見事な連携 山形・河北

命を助けるなんて、なんて素晴らしい子どもたちなのでしょうか。見習わなくてはいけませんね。



山形県河北町の西里小3年、庄司ひよりさん(9)と黒田美緒さん(9)は2月16日、学校からの帰り道に、ふと足を止めた。聞いたことがない、くぐもった声がする。
 「誰か、助けてけろ!」。声が聞こえる辺りに雪の塊があり、人の太ももだけがちらりと見えた。「男の人だ」。手で雪を掘って助けたかったが、冷たくて、硬かった。
 すぐ後ろを、同級生の後藤健人君(9)が歩いていた。つい最近、近所の人が雪かきで具合が悪くなったのを知っていた健人君。「また雪の事故だ」と、ピンと来た。近くに住むおじいちゃんを呼びに走った。
 5年生の皆川安里紗さん(11)と庄司七海さん(11)も異変に気付き、とっさに近くにあったスコップをつかんだ。
 生き埋めになった男性の話し声がだんだん小さくなった。「早く助けないと」。みんな、心臓が高鳴り、どきどきした。駆け付けた健人君のおじいちゃんと一緒に、夢中で雪を掘った。
 小学生5人の見事な連携プレーで、町内の農業後藤正義さん(60)は助かった。左脚にけがをして入院したが、命に別条はなかった。
 事故の後、後藤さんの奥さんが学校に来て感謝の気持ちを伝え、伝言を残した。「子どもたちにいつでも遊びに来るように言ってくださいね」。後藤さんが退院したら、会いに行こうと誓った5人に、もう一つ、ご褒美が待っていた。
 1週間後の23日、全校児童の前で、寒河江署の芳賀豊松署長から感謝状を手渡された。立派な額入り。「重いなあ」と美緒さんが言うと、先生が声を掛けた。
 「人の命を助けたんだから、重いのは当たり前だよ」

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